「ひざや腰が痛む」
「ずっと体が痛い」
「伸びを実感できない」
といった悩みに応えるストレッチ、教えます。(紹介著書より)
トレイルランナーズ大阪の安藤大です。
本日は数多くの著書を持つフィジカルトレーナー、中野ジェームズ修一氏による最新刊。今回は著者の「ストレッチ」ノウハウを新たに改定した一冊。ストレッチはすべてポーズ写真入りではじめての方にも易しく、ストレッチでからだがやわらかくなる仕組みの話から丁寧に解説されています。
ちょうどこの本を読んだその日に偶然、ヨガの先生とお茶をしていました。「ヨガとストレッチの違い」の話をしたら、「ストレッチの先生らしい回答ね。」という感想が返ってきました(笑)(本書で、ヨガを全否定しているわけではありません)
本書の一番の特徴は、単にストレッチメニュー紹介に終わらず、著者の25年にわたるトレーナーとしての指導経験から、「身体の硬い人」、「やわらかい人」、「身体に痛みを抱えた人」などさまざまな人に対応した点でしょう。
「身体にいいのはわかるけど、ひざも腰も痛いからストレッチなんて無理」という人には、「そういう人こそ動かせる部分だけでも積極的に動かすべき」と話します。
著者の「同じストレッチを教えても年齢、性別、身長、体重、運動経験によって感じてもらい方が大きく違う」というのは、僕も現場で指導していて経験のあることなので、大きくうなずきました。
さて、早速そのエッセンスを見てみましょう。
◆本著より
硬さが解消されない5つの理由
1やり方が間違っている
2ポーズが合わない
3頻度が少ない
4身体の形状を無視している
5ルールやコツを知らない
ストレッチで筋肉とその周囲にある腱、筋膜、靭帯、関節包などの結合組織を伸ばす動きを続けると、それまでの限界を抱えての可動域が広がって、柔軟性が向上するのです。
運動後や入浴時に柔軟性がアップするのはサルコメアの数が増えたわけではなく、血流がよくなって筋膜の柔軟性が一時的に高まったからです。
「しっかり伸びた状態の姿勢になってから30秒キープ」。筋肉は、一般的に20~30秒伸ばし続けることで緊張が抜け、縮んだ状態から解放されて伸びやすくなります。
ストレッチは、30秒以上続けて伸ばしても効果はさほど変わらない。
太ももの表側にある大腿四頭筋よりも裏側にあるハムストリングスのほうが硬い人。この状態で急に跳んだり走ったりすると、大腿四頭筋のパワーと可動域にハムストリングスがついていけず、肉離れを起こすのです。
ストレッチは、1~2種目でも週に5~7日続けるほうが効果的です。
ストレッチは体のコンディションを整える方法で、ヨガはボディーワーク。この2つは似て非なるものです。
ヨガで体を傷めた人の大多数は、柔軟性が足りないのに無理をしたことに原因があります。特に鏡があると、まわりの人よりも自分ができていないことがすぐわかるので、劣等感や疎外感を抱いて頑張りすぎるようです。
動的ストレッチをすると、安静時は全体量の約15%しか供給されない筋肉への血流がどんどん増え、血液に含まれる酸素やエネルギー減となる栄養素も大量に届くようになります。だから「動ける体」になるのです。
▲ここまで
これまでストレッチが続かなかった人は、本書の著者の言葉を借りれば、「自分に合ったストレッチに出合えていなかっただけかもしれません。」
柔軟性もトレーニング原則の一つ「過負荷の法則」に従い、いつも動かしている可動域でストレッチをしていしても、いつまで経っても柔軟性は向上しません。少しづつストレッチ域を伸ばしていく必要があります。
「これまでにもストレッチ本を読んだけれど続かなかった」「伸び感を感じられなかった」という方 、ストレッチについてもっと学びたい方は、今回も買って損はない一冊です。
管理人:大阪府生まれ。トレイルランナーズ大阪代表、米国UESCA認定ウルトラランニングコーチ。2012年に起業、日本では数少ないマラソンとトレイルランニングの両面を指導できるランニングコーチ、マラソン作家。指導歴12年で、初心者にもわかりやすい指導と表現で定評がある。
自身も現役のランナーで過去15年間で100大会以上に出場をし、ランニングを通じて日本中・世界中を飛び回るという「夢」を実現し、28か国30地域のレースに出場。
2012年から『はじめてのトレイルラン』教室を開講し、1万人超が体験する人気に。山でのマナーや安全な走り方の啓蒙活動にも注力し、グループで走る楽しさを伝え続けている。2024年10月にAmazon(アマゾン)より電子書籍『極寒!はじめての北極マラソン』を初出版。