おすすめランニング本

『勝ち続ける理由』原晋・著 Vol.115

【「青学、箱根3連覇」勝ち続ける秘訣とは?】
『勝ち続ける理由』原晋・著 Vol.115

『勝ち続ける理由』原晋・著 Vol.115
皆さまは2017年の箱根駅伝、ご覧になられましたでしょうか?

本日ご紹介するのは、正月の箱根駅伝で3年連続優勝を成し遂げた青学陸上競技部の原晋(はら・すすむ)監督が勝ち続ける秘訣を語った一冊。

40冊ぐらいの出版社からオファーが殺到し「ほとんどは断った」という原監督。その中で受けて出版委至った本は2017年1月現在6冊出ていますが、その中でもおすすめの一冊です。

一度勝つことよりも、 勝ち続けることの方がはるかに難しい。

僕自身もランニング競技の中にいますが、一度は優勝経験するランナーはいますがその後も息長く活躍し勝ち続ける人はほんの一握りのように思います。同時に一度目の優勝がなければ二度目の優勝もなく、まず勝つことの重要性も実感しています。

そんな思いの中、3年連続優勝を果たした青学の実力は多くの人に"本物"だと認められたことでしょう。 大学駅伝の場合は学年が変われば選手も変わるからです。

革新的なことを成し遂げた人物には必ずつきまとうことですが、日本では少し目立つと必ず批判やバッシングを言う人が出てくるものです。いわゆる"アンチ"と呼ばれる人たちです。FacebookなどSNSが流行した最近は批判を言うことで自分が目立とうとする人までいるそうですが、そこに所属する人もまた、信用リスクを抱えているということを指摘しておきたいと思います。

個人的には世の中をもっと面白く、より良くしていくことを考えていきたい次第です。

原監督も華やかなメディア出演の裏ではそれらに耐えていたことが本書で述べられています。原監督の場合は「陸上界をもっと華やかな世界にする」という大義がありました。ブレずに信念を貫くためには大義が重要となります。

元々原監督は「トップセールスマンでサラリーマン監督」でビジネスマン時代に培った経験を駅伝のチームづくりに活かしているため、 その中身も駅伝だけでなく社内チームづくりや部下とのコミュニケーション、マーケティングなどビジネスにも役立つ内容になっています。

個々のエピソードから選手のことを本当に考えているぶりが伝わってきます。

個人的にはコーチとして練習会も主宰しているので「個人を指導する秘訣」を学ぶために読みました。

 

200ページちょっとの文庫サイズですが非常に読み応えがあります。

駅伝に詳しくない人でもぜひチェックしてみてください。

以下、僕が特に心に残ったフレーズをご紹介します。

▼ここから

大口を叩くのをよしとしないのが昔からの日本の風土であり、とくに陸上界は「謙虚であれ」という風潮が強い。だから、ビッグマウスと言われてしまうわけだ。

大事なのは、トレーニングのためにトレーニングをしないことだ。試合の前日までハードな練習を重ねて、スタートラインに立ったときにへとへとで力が発揮できないのでは本末転倒もいいところだ。

ただアリバイをつくるために、いくら無目的にトレーニングしても強くならない。

夏合宿は長丁場なので、疲労が溜まる後半には手を抜くケースが散見されるようになるが、私はあえて見て見ぬふりをしている。そういうグレーゾーンをつくることが大切だと思うのだ。

部員が50名在籍すれば1番から50番まで必ず順位がつくわけで、仮にレースで50番になったとしても、その選手のいいところを見つけて誉めてあげるように努めている。

人間というのは注目を浴びるとテンションが上がり、底知れぬ力を発揮するだけでなく、責任感も生まれてくる。

陸上界の指導者のなかにはTwitterなどのSNSを禁止する人がいるが、私はむしろ積極的に活用する方針を採っている。指導者がトラブルを恐れて「あれをやってはいけない」「これもやってはいけない」と選手たちを押さえつけていると、斬新な発想が出てこなくなる。

子どもが大きなお風呂を見て興奮し、浴槽内で泳ぎ始めた。そうしたら、父親がすかさず「ここで泳いじゃダメ」と注意して止めさせてしまった。空いているときに子どもが風呂で泳ぐのは自然なことだ。だから、見て見ぬふりをして、笑って泳がせてあげればよいのだ。

テレビ番組に積極的に出演しているのは、きつくて暗い陸上競技のイメージを変えたい意図から。

期限を設けてチャレンジさせることが大切だ。

キャッチフレーズはべたがいい。

「君が結果を出そうが出せまいが、オレはそんなことは気にしていない。君がこの部にいること自体がチームにとってプラスなのだから、一緒に戦おう。だから、君はやるべきことを精一杯やったらいいんじゃないか」この一言で、辞めようという久保田の気持ちはふっ切れたようだ。言ってみれば、相手の出鼻をくじく奇襲戦法であった。

人間は「〇○作戦」というネーミングが大好きである。

【「青学、箱根3連覇」勝ち続ける秘訣とは?】
『勝ち続ける理由』原晋・著 Vol.115




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