【「ウルトラ・トレイル(山岳)ラン」の魅力とは?】
DVD『神の領域を走る~パタゴニア極限レース141km』出演・鏑木毅、取材・NHK班
本日の新作DVDをご紹介します。
2016年4月13日に南米パタゴニアの厳しい大自然を舞台に行われた「ULTRA FIORD=ウルトラ・フィヨルド)」。テレビではNHK総合にて2016年10月2日に放送され、そのレースの過酷さから大きな反響を呼びました。
本作品は世界が認める日本のプロトレイルランナー・鏑木毅さんを中心に、そのアドベンチャーレースの模様を収めたドキュメンタリーです。
そのテレビ映像を見た感想は過去にブログに書き、多くのアクセスがありました。
「安藤さんはパタゴニアに出場しないんですか?」と最近よく尋ねられますが、出場することはないでしょう(笑)片道35時間以上、行くだけでも大変ですから。。
あらためて観ていろいろと気づきがありました。
およそ35km地点でトップ選手を中心に98人中12人の選手がリタイアというのはちょっと多すぎますね。レース序盤からオーバーペースの怖さを物語っていました。一方で完走目標にマイペースで走り続ける後続選手の素晴らしい走りが目立ちました。鏑木さんはレース巧者で手元の心拍数計をしっかり見ながら、乳酸性作業閾値(LT)を超えないペースで走っていましたね。僕が特に注目したのは、59歳のオスカル・ラゴスさん。出場者中最高齢ですがウェアリングはしっかりしており、言葉にも余裕があり安心して見ていられました。こうした人が最後までフィニッシュするのですよね。
特典映像だけでも必見です。
「密着!鏑木毅のレース前トレーニング」では、箱根外輪山での走り込みや(トレーニングで50kmを6時間で走破)、厳冬期の富士山での猛特訓、低酸素室の追い込み風景が収録されています。
私も南米ペルーのマチュピチュマラソンレース直前には低酸素室でトレーニングしましたが、一番やりたくない練習です。低酸素室は「安静にしていても運動していても得られる効果は同じ」というのが最近の海外研究結果です。
初級者は室内で安静にしているだけでも高所登山に対する十分な効果が得られると言われており、中・上級者は30分は室内で安静にして、残りの30分はトレッドミルを歩いたり走ったりします。よりアスリートになれば安静にする時間を短くし、運動時間を長くしますがそれでも45分から60分程度です。
鏑木さんは2時間近く走るというのだから常人ではありませんね。
ドローンを使ったパタゴニア絶景映像集が美しい。テレビ放映では過酷なレース風景ばかりで「美しいパタゴニアの風景はどこ?」と思われた視聴者の方も期待できます。ほか「鏑木毅がパタゴニアに挑んだギア(装備品)を大公開 」「世界一過酷なレース 鏑木毅の攻略法」が収録。
鏑木ファンであれば即「買い」の一本ですが、レースに出場しなくともぜひ見てほしい美しい映像作品に仕上がっています。
【「ウルトラ・トレイル(山岳)ラン」の魅力とは?】
DVD『神の領域を走る~パタゴニア極限レース141km』出演・鏑木毅、取材・NHK班

管理人:安藤大(あんどう ひろし)大阪府出身。プロ・ランニングコーチ。2012年から「はじめてのトレイルラン教室」を開講、21都道府県で1万人以上が体験する人気に。山でのマナーや安全な走り方の啓発活動に注力し、グループで走る楽しさを伝えている。
15年で参加をした大会は「28か国、28都道府県」で100を超え、ランニングを通じて日本中・世界中を飛び回るという「夢」を実現中。
2024年10月に『極寒!はじめての北極マラソン』を初出版。Amazon2部門1位&ベストセラーに。