【糖質制限でダイエットに成功したマラソンドクターが語る食事術】
『運動するときスポーツドリンクを飲んではいけない』清水泰行 Vol.128
本日ご紹介する一冊は、糖質制限に関するパフォーマンスアップ食事本。
煽り感のあるタイトルでジャケット買いした一冊。
著者は、医師でウルトラマラソンランナー。
著者が43歳で初フルマラソンに出場を目指したのは、糖質制限食の実践により2ヶ月で8キロの減量に成功し、「せっかく痩せたのだから、何かやろう!」と思ったことがきっかけ。
ちゃんとタイトルの「運動するときスポーツドリンクを飲んではいけない」に触れられており、自分の血糖値を1日中測り続けることができる測定器を身に着け、フルマラソン大会に参加し、人体テストした様子が書かれています。
・スポーツドリンクは水と変わらない効果しかない!
・子供に甘い飲みものは必要ない
・ゆるめの糖質制限だけでも体重8キロ減
・ハンガーノックは糖質をとるから起きる
・運動中に吐いてしまうのは糖質摂取のせい
・お米を食べすぎると認知症になる
帯文や巻末の参考文献を見ればわかりますが、著者は糖質制限食の先駆者者、江部康二氏の考え方を信奉しており、書かれている内容は既出の内容が多いですが、あらためて頭の整理に思って読むといいでしょう。
早速、本書の中身を見てみましょう。
▼ここから
最初はまず、主食のご飯を減らすこと、お菓子やジュースなどの間食をできる限りしないこと、コーラはやめること、この3つをはじめました。
低糖質グループは、高い運動強度でも脂質を十分に利用でき、持久系の運動に非常に有利だった。
糖質摂取の量が多くても少なくても、運動前後もまったくグリコーゲン量は同等だった。
エネルギーの供給は、糖質よりも、断然、「脂肪酸ーケトン体」システムの方が安定しているので、持久系のスポーツで有利だと考えられます。
普段から糖質制限をしていれば、あえて運動後に糖質を補給する必要はない。
糖質は、体の酸化ストレスもアップさせ、AGEを生み出す糖化も促進します。体が「活性酸素」という悪さをする酸素のダメージを食らい、スポーツしている人にとって大切な関節や筋肉は炎症を起こしやすくなります。
スポーツドリンクを飲んで血糖値が上がると、体の細胞の水分が血管内に移動し、細胞が水分不足となります。
糖質制限をして体重が減ったときに減少したのは体脂肪だけで、筋肉量はまったく変化しませんでした。
▲ここまで
僕も以前はレース中にコーラやスポーツドリンクを愛飲していました。しかし、長らく水しか摂っていません。水と途中で補給するエネルギージェルだけは持っていきます。これまでのどの渇きを感じたことはなく、脱水症状を経験したこともありません。血糖値を挙げたくないという理由のほかに、トレイルでは転倒して出血したりハチに刺されたり、暑さのために頭から水をかぶったりするケースなどがあり、そうした場合に水を携帯しておくことが便利だからです。
本書と合わせて読みたいのが著者のブログです。持続グルコース測定器を使用して、自らを実験体に食後の血糖値の変化を見たり運動におけるパフォーマンスの変化を見たりしたレポートが書かれており、興味深い内容です。「食材に対しての血糖値の反応が人によってバラバラ」という事実は私は知りませんでした。(全体で見れば糖質量に比例して血糖値が上がることは確かだそうです。)
ドクターシミズのひとりごと
http://promea2014.com/blog/
個人的には本書の購入者だけが読むことができるブログ記事「スポーツドリンクは水と変わらない効果しかない!」 「アスリートがよく摂取する「BCAA」の危険性」 「果糖の毒性」「糖質制限をしたアスリートたち(藤原新、鏑木毅の食事ほか)」の内容が有益でした。
通勤中にさくっと読める一冊です。ぜひブログと一緒にチェックしてみてください。
【糖質制限でダイエットに成功したマラソンドクターが語る食事術】
『運動するときスポーツドリンクを飲んではいけない』清水泰行 Vol.128
管理人:大阪府生まれ。トレイルランナーズ大阪代表、米国UESCA認定ウルトラランニングコーチ。2012年に起業、日本では数少ないマラソンとトレイルランニングの両面を指導できるランニングコーチ、マラソン作家。指導歴12年で、初心者にもわかりやすい指導と表現で定評がある。
自身も現役のランナーで過去15年間で100大会以上に出場をし、ランニングを通じて日本中・世界中を飛び回るという「夢」を実現し、28か国30地域のレースに出場。
2012年から『はじめてのトレイルラン』教室を開講し、1万人超が体験する人気に。山でのマナーや安全な走り方の啓蒙活動にも注力し、グループで走る楽しさを伝え続けている。2024年10月にAmazon(アマゾン)より電子書籍『極寒!はじめての北極マラソン』を初出版。