トレイルランナーズ大阪の安藤大です。
トレイルランでは、ラインどりも重要なポイントになります。トレイルを「こういう理由で、今のラインどりをしました。」と説明できる人がいるならば、上級者だと思います。幅の広い林道や舗装路を勢いよく駆け下りるときにラインは意識していますか?ただほかのランナーが右に行ったからと、その背中を追いかけていませんか?車線横断が禁止されていたり、ほかのランナーの進路妨害となったりする場合を除き、このラインどりは非常に重要になります。
トレイル幅が広いコースでは、ライン取りの選択肢も広くなります。ただランナーによって柔軟性や安定性も異なりますから、たとえベストだと考えられるライン取りがあったとしても、場所によってはそのランナーにとって、そのラインどりがベストなこともあると思います。
僕はトレイルランニングの下り方は大きく二つに定義しています。「荒っぽく走るスタイル」と「足に優しく走るスタイル」です。
ショー トレースであれば、脚力に物を言わせて、手荒く走るのも、その人のランニングスタイルだと思います。最近ではロードのマラソンだけでなく、トレイルでもロ ングレース志向が高まってきていますが、距離が長くなるにつれて、そういった荒っぽい走り方をする方が、足にも膝にも内臓にも、そしてエネルギー効率から 見ても負担が大きいことは確かです。レース全体で考えれば、前者と後者のスタイルのランナーとで決定的な違いが出てくると、僕は経験上から思っています。
トレイルでは経験を積めば、誰しもスピードが上がってきますが、トレイルを「速く走ることができる」というのと、「上手く走ることができる」ということは、まったく別の意味合いと僕は考えています。
・トレイルでのコーナリング手法
下りのスイッチバック(=ジグザグの林道)局面では、早めのタイミングで減速し、曲がりはじめることが一番確実なコーナリング手法です。走行ラインは、 典型的な「アウト・イン・アウト」になります。逆にコーナーぎりぎりまで減速しないということは、それだけ滑落などの危険をともない、急ブレーキを踏むわけですから、足への負担も大きく、立ち上がりの加速は遅くなります。
トレイルランニングではそうした自分だけのラインを見つけることも一つの醍醐味です。
管理人:トレイルランナーズ大阪代表、米国UESCA認定ウルトラランニングコーチ。大阪府生まれ。日本では数少ないマラソンとトレイルランニングの両面を指導できるランニングコーチ。大阪府出身。2012年に起業、実践と科学的知見に基づいた指導は「具体的でわかりやすい」と初心者の指導に定評がある。歯に衣を着せぬストレートな物言いが評判。
自身も現役のランナーで過去15年間で100大会以上に出場をし、ランニングを通じて日本中・世界中を飛び回るという「夢」を実現し、28か国30地域のレースに出場。
2012年から『はじめてのトレイルラン』教室を開講し、1万人超が体験する人気に。山でのマナーや安全な走り方の啓蒙活動にも注力し、グループで走る楽しさを伝え続けている。