トレイルランニングで起こりうる、代表的なものが「ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)」。特に下り階段やがれ場の続くトレイルで、小さなジャンプと着地を繰り返したり、横にサイドステップを踏んだりすることで、膝蓋骨と脛骨をつなぐ膝蓋靭帯が炎症を起こすことが原因です。
本来はバレーやバスケなどジャンプ動作の多いスポーツで見受けられるもので、1回のトレイルランで発症することはまれですが、先日もツアー中に一人いらっしゃいました。
何万歩と着地を繰り返すマラソンでも起こりえますが、階段段差など高い場所からのジャンプを繰り返したりする、トレイルラン競技ではより起こりやすいと言われています。
この男性はラン歴も1年と浅く、この日はトレイルランも初めてで、階段を足が伸び切った状態、かかとから着地していたことが原因と考えられます。ブログやフェイスブックなどで何百人ものランナーのレポートを読んでいると、10km程度のランニングでは大丈夫な方でも30km、40kmと距離が長くなるにつれて、発症する人が増えていく傾向にあります。

管理人:安藤大(あんどう ひろし)大阪府出身。プロ・ランニングコーチ。2012年から「はじめてのトレイルラン教室」を開講、21都道府県で1万人以上が体験する人気に。山でのマナーや安全な走り方の啓発活動に注力し、グループで走る楽しさを伝えている。
15年で参加をした大会は「28か国、28都道府県」で100を超え、ランニングを通じて日本中・世界中を飛び回るという「夢」を実現中。
2024年10月に『極寒!はじめての北極マラソン』を初出版。Amazon2部門1位&ベストセラーに。