【55歳の漫画家が富士登山競争、ハセツネCUPに挑戦!】
『サブスリー漫画家 激走山へ!』みやすのんき・著 Vol.150

本日ご紹介する一冊は、累計発行部数は公表されていませんが、『大転子ランニング』シリーズ著者の待望の第5弾。Amazon.co.jpで”みやすのんき”で検索すると...ランニング本と並んで、ちょっとアダルトな漫画がずらり、不思議な一覧表になります。

※参考:2015年『走れ! マンガ家ひぃこらサブスリー 運動オンチで85kg 52歳フルマラソン挑戦記!』
※参考:2016年『あなたの歩き方が劇的に変わる! 驚異の大転子ウォーキング』
※参考:2017年『「大転子ランニング」で走れ! マンガ家 53歳でもサブスリー』
※参考:2018年『誰も教えてくれなかったマラソンフォームの基本』
これまでは、歩き方から走り方を紹介し、話題となりましたが、今回はトレイルランニング論。本書では、日本最高峰である富士山をふもとの富士吉田市役所から駆け上がる 「富士登山競走」(標高差3000m)と日本トレイルランニング大会の最高峰 「日本山岳耐久レース、通称ハセツネCUP」のレース参加経験談が写真、コース図とともに紹介されています。
「富士登山競争」の3Dルートマップが紹介されたのは、初かもしれません。
「富士登山競争」といえば、勝負はクリック合戦から始まりますが、毎年クリック合戦で涙している人には、オープン参加という名目でいきなり山頂コースへのエントリーをゲットした著者がうらやましく映るかもしれません(本書によれば次回は五合目コースから参加する予定とのこと)。
第3章の「一寸先は漆黒の闇!ハセツネCUP日本山岳耐久レース挑戦」では、私も過去に2度大会完走していますが、一度でも参加したことのある人なら本書にある次の文章を読んで、
<座り込んだランナーをあちらこちらに見かけるようになりました。ひょっとして山に棲む物の怪の虜になったかもしれません。>
<そろそろ大ダワ?と思ったら、またいやしい登りの連続。>
<「テントに入った時点でリタイアとみなします」大ダワでリタイアテントに吸い込まれそうになる>
思わず「そうそう!」とその光景がありありと思い浮かぶ内容で楽しめます。もちろん参加をしたことのない人にとっても面白くレースを擬似体験できます。
みやすのんき氏の漫画は読んだことがありませんが、これだけ話の筋道を整えて書き出す能力を知って、「(いったいどんな漫画を描いているのだろう?)」漫画の方も読んでみたくなりました。
次回作は、『サブスリー漫画家 100kmウルトラマラソンでサブ10!』あるいは『サブスリー漫画家 市民ランナーのグランドスラムに挑戦!』でしょうか?
著者のマラソンサブ3というスピード、それに向けた練習量と質を考えれば、ウルトラマラソンで10時間以内は楽勝でしょうから、平坦なコースのサロマ湖や富士五湖ではなく、ぜひ「星の郷八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソンでサブ10」へのチャレンジを期待したいです。
市民ランナーのグランドスラムとされる(サブ3、サブ10、富士登山競争山頂コース完走)達成で、過去作品も再注目され、そう考えるとまだまだ面白い本が登場しそうですね。
しかし、本を書くために10時間を絶対目標に掲げながらの100キロウルトラマラソンは走りたくないですね(笑)
個人的には、著者の過去4作品の中では一番楽しめました。ぜひ読んでみてください。
【55歳の漫画家が富士登山競争、ハセツネCUPに挑戦!】
『サブスリー漫画家 激走山へ!』みやすのんき・著 Vol.150