【疲れが取れないのは睡眠不足のせいじゃなかった?】
『世界最高のスリープコーチが教える 究極の睡眠術』ニック・リトルヘイルズ・著 Vol.142

「なんだか最近、ランニング後の疲れが取れにくい」
加齢とともにそう感じることはありませんか?ある調査によれば、そもそも日本人の3分の1以上は慢性的な疲労を感じているそうです。寝ても仕事の疲れが取れない、レース後の疲れが長引いてしまう、寝起きがだるい、という人のために回復に役立つ睡眠本をご紹介。
本日ご紹介する一冊は、世界的ベストセラーの睡眠本、『世界最高のスリープコーチが教える 究極の睡眠術』。
著者の経歴は、元寝具販売会社の部長。ベッドや枕選びにおけるスペシャリストで、その後"スリープコーチ"という肩書きを自分でつくり出し、独立。マンチェスター・ユナイテッドやアーセナルのチームトレーニング場に併設の「睡眠回復ルーム」を世界で初めて導入、デヴィッド・ヴェッカムやクリスティアーノ・ロナウドまで、寝具の提供や睡眠指導を行った人物です。
その著者の30年近くにわたる睡眠のノウハウを一冊の本にまとめたのが本書。どこかで耳にしたり、インターネットで検索すれば見つけたりすることのできる内容が多いですが、ベッドや枕選び 、睡眠サイクルの考え方など新しい発見も多くありました。
アスリートの快眠・疲労回復につながる情報・ノウハウがびっしり詰まっており、読みごたえがあります。
・最適な眠りの姿勢は一つしかない!
・「朝起きてすぐに家を飛び出す」はNG
・睡眠は「4つのサイクル」でとらえる
・就寝時刻は変えていいが、起床時刻を変えてはダメ
・会社では窓側の席を、午前中は朝が苦手な夜型の人に、午後は朝型の人に割り当てる
・寝室に入るとき、室温を「温→冷」にする
・歳を取るにつれて、早起きになるのは?
・最高の枕って?
重要箇所には青色でマーカーが引かれており、忙しくなかなか本を読む時間のとれない人はまずはそこだけ流し読みしてもよいと思います。
さっそく、中身を見てみましょう。
▼ここから
ブルーライトはそれほど「悪い」光ではなく、浴びるタイミングが問題。
体内時計を意識すれば、特定の時間に眠くなる理由や、寝つけないワケが理解できる。
午前2~3時を睡眠のピークにする。
ノートパソコンをしまってから、しばらく寝ずに起きている。そうすることで、脳の松果体が効率よく働き、暗くなったことに反応してメラトニンが分泌されるようになる。
クロノタイプとは、その人の睡眠タイプのこと。いわゆる「朝方」「夜型」の分類だ。
プロのトライアスロン選手のサラ・ピアンピアーノは、普段の生活ではまったくカフェイン飲料を飲まない。適量のカフェイン入りのスポーツゼリーというかたちで、試合前とレース中のさまざまなステージで摂取している。
カフェインの量を規制せずに摂取すると、悪影響を受けることになる。耐性ができ、望み通りの効果を出すために、より多くの摂取が必要になる。
イギリスの食品基準庁は、平均的な人に一日上限400ミリグラムのカフェイン摂取を推奨している。スターバックスのグランデサイズのコーヒーに含まれるカフェイン量は330ミリグラム。
カフェインの半減期<成分の血中濃度が半減するまでにかかる時間>は、最長6時間。
窓側の席を、午前中は朝が苦手な夜型の人に、午後は朝型の人に割り当てる。
週末に「朝寝坊」しない。
19世紀の産業革命と人口照明の導入までは、夜間に8時間まとめて睡眠を取るという考え方は存在しなかった。この量を取らなければというプレッシャーのせいで、各人が本当に必要とする睡眠量を得ることがかえって疎外されてしまっている。
睡眠は「4つのサイクル」でとらえる。
「浅い眠り」「深い眠り」「レム睡眠」のすべてが入ったサイクルの連続を、なめらかなひと続きの睡眠として取ることが重要。
遅い時間に食事をした場合。障害要因を取り除くには、いきなりベッドに直行しないことだ。満腹状態と消化活動は、午後9時から10時ごろに腸の活動を抑えるという体内時計の要求と衝突する。
「起床時刻」を変えてはいけない
湯たんぽや電気毛布の使用も、基本的に避ける。
就寝前のルーチンのひとつとして、鼻腔拡張テープの<ブリーズライト>などを鼻に貼る。
コルチゾール(ストレスに反応して分泌されるホルモン)は目覚めた直後に最高値に達する。
▲ここまで
ランナーで朝のランニング練習が向いている人、夜のランニング練習のほうが向いている人がいます。生活スタイルによってどのような睡眠をとればよいのか本書を読めばわかります。
故障なく走り続けるためには、リカバリーが不可欠 。
限られた時間で、睡眠中に最大限の回復を図るためのノウハウがぎっしり詰まっています。
ぜひチェックしてみてください。
【疲れが取れないのは睡眠不足のせいじゃなかった?】
『世界最高のスリープコーチが教える 究極の睡眠術』ニック・リトルヘイルズ・著 Vol.142