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『ゴールへ駆けたガキ大将 女子マラソンに賭けた夢』小出義雄・著 Vol.073

【高橋尚子選手がなぜ「Qちゃん」と呼ばれるのか?】
『ゴールへ駆けたガキ大将 女子マラソンに賭けた夢』小出義雄・著 Vol.073
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4808310090/joeblack0a-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"われわれ一般市民ランナーと違って、驚くほど短命でキャリアの終焉を迎えるプロマラソン選手の世界。

本日ご紹介する、小出義雄監督の『ゴールへ駆けたガキ大将 女子マラソンに賭けた夢』。

小出義雄監督といえば、有森裕子(バルセロナオリンピック銀)、鈴木博美(アテネ世界選手権金)、高橋尚子(シドニーオリンピック金)を輩出した、マラソン界の名伯楽。フェイスブックやツイッターフォロワー7891人(2016年2月24日現在)などを見て、一般市民ランナーからの人気の高さもうかがえます。

本書を読むにつれて、本当に走ることが好きなんだなと、痛感させられるはず。

監督の話すエピソードから有森裕子さんや高橋尚子さんら金メダリストの努力が伝わってきて、思わず身が引き締まる内容です。

個人的には、同じく指導者として「教え子たちはやがて、巣立っていくものなのだ。」がぐっと心に刺さりました。

本書の中で高橋尚子さんのニックネーム「Qちゃん」の由来も明らかにされています。シドニーマラソンで金メダル獲得後の「本当に楽しい42.195キロでした」は有名な言葉ですが、この言葉の真意を聞いて本当に驚きました。

このエピソードだけでも読んでみる価値はあるでしょう。

早速、本書の中身を見てみましょう。

▼本書より

「ほめて育てる」。簡単な言葉だが、それでいて実践となると、そこそこに難しい。だが、相手をじーっと観察するうちに、いいところの一つや二つは見つかるものである。私の指導は、まず「長所探し」から始まる。

ほめて育てた信頼関係はあっても、鞭打つことだけから生まれた信頼関係はない。

指導者が、教え子に努力を求めるのは当然のことである。部活動は努力の尊さを学ぶ舞台でもあるからだ。

一流の指導者は、走ることだけを勉強しているのではないことを知った。

「指導者は、時計より選手を見ることが一番です。分かりましたか。小出先生」

大きな存在の選手が現れると、チーム全体の力が浮上することを経験した人は、指導者にしろ選手にしろ多いはずである。私の指導歴の中でも、必ずと言ってもいいぐらい、中核となる選手が存在した。

どこにも痛みが出ない。これは練習不足だからじゃないですか。もし、私がメダルを取れなかったら、頑張ってくれたスタッフや応援してくれている人たちに申し訳ないです(有森裕子)

私はいかにしてQちゃんにブレーキをかけるかで苦労したものである。

私が与えるトレーニングは、世界で誰も真似できるようなものではなかった。

彼女の腹筋が割れていたのをご存知だろうか。これは自らに課した1日2000回(朝1000回、午後1000回)の腹筋運動のたまものだった。

高橋の1分間脈拍数は普通の人の半分ほど、36回だった。かつての瀬古利彦さんに匹敵するほどであった。

教え子たちはやがて、巣立っていくものなのだ。

【高橋尚子選手がなぜ「Qちゃん」と呼ばれるのか?】
『ゴールへ駆けたガキ大将 女子マラソンに賭けた夢』小出義雄・著 Vol.072




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